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前田 敏克; 坂本 義昭; 中山 真一; 山口 徹治; 小川 弘道
JAERI-Review 2001-001, 25 Pages, 2001/02
廃棄物の溶融固化処理は減容性、均質性等の観点から優れた処理法であり、一部は実用化されている。溶融固化体は、処分時のバリア性能についても高い能力を持っているとの期待があるが、評価方法は確立しておらず、今後の研究が必要である。このため、公開文献をもとに溶融固化体のバリア性能研究の現状を調査した結果、固化体に含有されるCoやSr等の元素は、母材元素である鉄やシリカの腐食または浸出に律速された浸出挙動をとると推定されていることがわかった。しかし、固化体自体の耐久性については、これまで研究が行われていないことが明らかとなり、今後、バリア性能評価手法を確立するためには、現状で不足している長半減期核種の浸出性データの取得を進めるとともに、長期にわたる固化体の耐久性を明らかにしていくことが必要と考えられた。
秋元 利之; 中山 真一; 飯田 芳久; 永野 哲志
JAERI-Review 99-002, 165 Pages, 1999/02
フランス核燃料公社(COGEMA)からの返還廃棄物の一部はビチューメン固化体であり、日本国内に地中処分される予定である。処分の性能評価のためには、地下環境におけるビチューメン固化体の浸出率のデータが必要である。ビチューメン固化体の浸出試験を行うにあたり、ビチューメン固化体に関する国内外の文献を調査し、地中処分の観点からビチューメン固化体に関する最新のレビューとして本書をまとめた。調査項目は、ビチューメンの物理的・化学的性質、ビチューメン固化体の製法、性質、及び耐浸出性であり、固化体の耐浸出性に重点をおくために、とくに浸出試験と既往の研究結果について詳述した。超ウラン元素の浸出率データ、及び地下環境に特有である低酸素濃度雰囲気下における浸出率データは今までほとんど得られていない。
馬場 恒孝; 三田村 久吉; 蔵本 賢一; 稲垣 八穂広*; 上薗 裕史
JAERI-Review 98-002, 23 Pages, 1998/02
処分条件下でのガラス固化体の長期性能評価を目的として、その浸出挙動を変質層の役割、地下水による影響及び酸化還元雰囲気の影響の観点から研究を進めた。その結果、次のことが明らかになった。(1)浸出の過程で表面に形成した変質層内での結晶成長のような反応は、固化体からの元素の浸出がほとんど止まっても進行する。(2)水和したケイ酸変質層は、脱イオン水中よりも還元性の合成地下水中の方でFeを伴って溶解し易い傾向がある。(3)酸化還元両条件ともにPuxHO(am)の形成がPuの浸出を支配し、還元条件下での主な可溶性化学種はPu(OH)である。セラミック固化体に関する研究では、シンロックの構成鉱物の一つであるペロブスカイトの崩壊損傷を調べ、910/gの蓄積線量で1.3%の密度減少を観察した。また、ペロブスカイトの浸出率は蓄積線量の増加で増える傾向のあることが分かった。さらに、ジルコニア及びアルミナを主成分とするセラミックの結晶学的安定性、化学的耐久性等をCe及びNdを用いて調べた結果、イットリア安定化ジルコニアが目的とする固化体として優れた特性を有することが明らかとなった。
上薗 裕史; 早川 一精*; 村岡 進
Journal of the American Ceramic Society, 74(4), p.863 - 864, 1991/04
被引用回数:26 パーセンタイル:77.1(Materials Science, Ceramics)ジルコニウムを含有する3種のセラミックス固化体の耐浸出性について検討した。10mol%-YO安定化ZrO(A)、パイロクロール型LaZrO(B)、ペロブスカイト型CaZrO(C)の3種の母材に、Ce、Nd及びSrを廃棄物元素として添加し、90Cと150Cで、塩酸又は脱イオン水中にて浸出させた。その結果、A及びBの母材を使用した場合に、固化体中の廃棄物元素の浸出率が低くなることがわかった。例えば、Bの母材を使用した固化体中の各元素の150C、脱イオン水中での浸出率は、試験開始後30日で10g・m・day以下に低下した。
馬場 恒孝; 中村 治人
Journal of Nuclear Science and Technology, 21(1), p.77 - 79, 1984/00
被引用回数:2 パーセンタイル:47.32(Nuclear Science & Technology)高レベル放射性廃棄物ガラス固化体の地層処分においては、地層という天然バリアに各種の人工バリアを組み合わせる方法が考えられている。固化体と地層構成岩石との間隙に充填される埋戻し材はこの人工バリアの1つであり、それゆえ、固化体からの放射性核種の浸出を低減化し、地層中への移行を遅延させる機能が要求される。本報では、ガラスの水への溶解性が岩石等に比べ大きいことに着目し、原料ガラス粉体中にガラス固化体を埋めた状態での浸出試験を実施した。その結果、浸出液が溶解したガラス成分でほぼ飽和され、固化体の浸出がほとんど進行しないことがわかった。さらに、原料ガラス粉体とベントナイトを混合することによってより効果的であることがわかった。
関 晋
日本原子力学会誌, 25(7), p.571 - 576, 1983/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.02(Nuclear Science & Technology)CsおよびCoを用いたセメント固化体の浸出試験により、廃棄物固化体からの放射性核種の浸出は、拡散支配として取り扱えると結論した。拡散係数を求める方法として、廃棄物固化体を浸透的性質を有するものと非浸透的性質を有するものとに分け、それぞれにあった拡散式を提供した。更に取得した拡散係数を使用して、浸出量の長期予測に必要とする適切は方法を提供した。
森山 昇; 土尻 滋; 松鶴 秀夫
Nucl.Chem.Waste Manage., 3, p.23 - 28, 1982/00
本報は、BWR蒸発缶濃縮廃液に対するポリエチレン固化法の適応性について検討したものである。本実験では,この廃棄物の主成分である硫酸ナトリウムを、実験室規模の回分型固化装置でポリエチレン固化し、得られた固化体の均質性、密度、機械的特性、耐水性、浸出性および減容性を調べた。ポリエチレン固化法では、硫酸ナトリウムを混入率70wt.%まで均質に固化できるが、耐浸出性および耐水性から、混入率は50wt.%が適当である。混入率50%wt.%の固化体は、密度が1.28g/cm、圧縮破壊強度が213kg/cmであり、また粘り強い機械的性質を有する。この固化体のナトリウムの浸出に関する拡散係数は10~10cm/dayである。ポリエチレン固化体は、水中において体積膨張、分離および崩壊現象を生じない。また、減容効果が大きく、セメント固化する場合に比べて、固化体の発生量は1/5になる。
関 晋
JAERI-M 9762, 104 Pages, 1981/11
低レベル放射性廃棄物の海洋処分に関連して、処分体の中心であるセメント均一固化体の安全性評価を行った。本報告は、上記固化体の深海中健全性、非破壊検査法の開発および放射性核種の浸出性について研究した結果をまとめたものである。これらの研究から、セメント固化体自体、放射性核種の浸出に対する防壁効果を有し、その閉じ込めの効果はかなり大きいため、放射性廃棄物の海洋処分に対する従来の評価は、非常に安全側にあり、実際とはかけ離れたきびしい評価であるとの結論を得た。
松鶴 秀夫; 土尻 滋; 森山 昇
JAERI-M 8864, 13 Pages, 1980/05
BWRで生ずる濃縮廃液のアスファルト固化体の浸出性を改善するため、濃縮廃液に塩化カルシウムを添加して個化する方法を検討した。その結果、得られた固化体はほとんど膨潤が認められず、また、CsとCoの浸出比は100日間でそれぞれ510および110となり、塩化カルシウムを添加しない固化体の場合に比べて、極めて低い値を示した。さらに表面を5mm厚のアスファルトで被覆した固化体では、浸出液にはほとんど放射能が検出されなかった。
金田 由久*; 芳賀 和子*; 菊地 道生*; 山本 武志*; 大塚 拓*; 角田 あやか; 大杉 武史; 曽根 智之; 黒木 亮一郎
no journal, ,
福島第一原子力発電所の汚染水処理から発生する廃棄物をセメント等で低温固化処理する場合の基礎データを取得する目的で、模擬炭酸塩スラリー(CS),模擬鉄共沈スラリー(IS)のセメントおよびAAM(アルカリ活性化材料)固化体製作時に模擬核種を添加し、模擬核種の浸出試験を行った。
大澤 紀久*; 金田 由久*; 坂本 亮*; 谷口 拓海; 黒木 亮一郎; 大杉 武史
no journal, ,
汚染水処理から発生する様々な廃棄物に対して、低温処理技術(セメント固化等)による固化処理プロセスの適用可能性を簡易に検査(スクリーニング)するため、混練後の流動性や硬化後の圧縮強度を推定する手法や、遠沈管を用いた固化体中の核種浸出性を評価する手法について検討した結果の一部を紹介する。